築二十年が経過し、タイルにひび割れが目立ち始めた我が家のお風呂をリフォームした際の実体験を振り返ると、何よりも「お風呂が使えない日々」のシミュレーションが重要だったと感じます。リフォーム会社からは事前に「標準的な工事なら五日間」と説明を受けていましたが、実際に工事が始まると、その五日間は想像以上に長く、そして変化に富んだものでした。一日目は朝から激しい解体音が響き渡り、長年お世話になったタイルが次々と剥がされていきました。夕方に現場を確認すると、そこにはコンクリートが剥き出しになった異空間が広がっており、本当に数日で元に戻るのかと不安になったのを覚えています。二日目と三日目は、配管の職人さんと電気屋さんが入り、目に見えない土台の部分を丁寧に作り上げてくれました。この期間、私たちは近所の銭湯へ通うことになりましたが、これもまた家族にとっては一種のイベントのような楽しさがありました。しかし、三日目あたりから「家でお風呂に入れない」という不自由さがじわじわと応えてきます。四日目にいよいよ新しいユニットバスのパーツが運び込まれ、一気に浴室の形が出来上がっていく様子を見たときは、家族全員で歓声を上げました。最終日の五日目は、ドア周りの壁紙を張り替え、コーキングが乾くのを待つ時間でした。担当の方から「今夜の十時以降なら入っても大丈夫です」と言われたときの喜びはひとしおでした。幸い、我が家の場合は床下の腐食などのトラブルがなかったため、当初の予定通り五日間で完了しましたが、もし木材が腐っていたらさらに二、三日は延びていたそうです。工事を終えて実感したのは、事前の掃除や荷物の片付けも含めると、実際には一週間近く生活のリズムが崩れるということです。特に共働きの家庭では、職人さんの対応や鍵の管理、洗濯物の干し場所など、工事日数に合わせた細かな調整が不可欠です。お風呂リフォームは単なる設備の入れ替えではなく、家全体の機能を一時的に止める大きな決断なのだと痛感しました。完成した真っ白な浴室で、足を伸ばして湯船に浸かった瞬間の幸福感は、あの五日間の不自由さを補って余りあるものでしたが、これからリフォームをする方には、ぜひ余裕を持ったスケジュール管理をお勧めしたいと思います。