和室から洋室へのリフォームを行う際、「できるだけ和室だった頃の面影を消し、完全に新しい洋室として生まれ変わらせたい」と考える方は多いでしょう。中途半端なリフォームでは、どこか和のテイストが残ってしまい、ちぐはぐな印象になりかねません。完全な洋室化を成功させるためには、床や壁だけでなく、細部にまで目を配ったトータルな計画が重要になります。そのためのいくつかの重要なポイントをご紹介します。まず、空間の土台となる「床・壁・天井」の三つを徹底的に洋風に作り変えることが基本です。床は畳を撤去し、フローリングに張り替えます。この時、隣接する廊下などとの段差ができないように、下地の高さをしっかりと調整することが大切です。壁は、聚楽壁や砂壁といった和室特有の塗り壁を、ビニールクロスに張り替えるのが一般的です。古い塗り壁の上に直接クロスを張ると、後々剥がれの原因になることもあるため、できれば下地からやり直すのが理想です。天井も、和室でよく見られる木が格子状に組まれた「竿縁天井」などであれば、フラットなクロス張りの天井に変更することで、一気に洋室らしいすっきりとした印象になります。次に、和室の象徴ともいえる「押入れ」と「襖」の扱いです。押入れは、中棚を撤去して内部を改装し、ハンガーパイプや棚板を取り付けたクローゼットへと作り変えます。そして、襖は必ず洋風の建具に交換しましょう。左右に開く折れ戸や、スライド式の引き戸、あるいは開き戸など、部屋の使い方に合わせて選びます。この扉のデザインと色を、部屋の入口のドアと統一することで、空間の完成度は格段に上がります。意外と見落としがちですが、和室の面影を強く残してしまうのが「長押(なげし)」や「回り縁(まわりぶち)」といった、壁の上部に取り付けられた木製の部材です。長押は、かつて衣類などを掛けるために使われたものですが、現代の洋室には不要です。壁のリフォームと同時に、これらの部材も撤去してもらいましょう。これらを取り去るだけで、壁面がすっきりとし、天井が高く感じられる効果もあります。さらに、窓周りの設えも重要です。伝統的な障子は、洋室の雰囲気には合いません。カーテンレールを取り付けてドレープカーテンとレースカーテンを吊るすか、あるいはプリーツスクリーンやロールスクリーン、ブラインドといったモダンなウィンドウトリートメントに変更しましょう。
和室の面影を消す!完全洋室化のためのポイント