インテリアデザインにおいて、壁紙や床材、家具にこだわる方は多いですが、室内ドアの重要性は見過ごされがちです。しかし、部屋と部屋を仕切り、繋ぐ役割を持つ室内ドアは、空間の印象を左右する極めて重要なエレメントなのです。そのデザインや機能性を見直す室内ドアのリフォームは、比較的手軽でありながら、住まい全体の快適性やデザイン性を格段に向上させる力を持っています。例えば、最も一般的なリフォームの一つに、開き戸から引き戸への変更があります。開き戸はドアを開閉するためのスペース、いわゆるデッドスペースが必要となり、廊下や洗面所のような限られた空間では、家具の配置を制限したり、人の動線を妨げたりする原因になります。これを、壁に沿ってスライドする引き戸に変更することで、ドアの開閉スペースが不要となり、空間を最大限に有効活用できます。特に上吊り式の引き戸であれば床にレールを敷設する必要がなく、足元の段差がなくなるため、車椅子を利用する方や高齢者がいるご家庭のバリアフリー化にも大きく貢献します。また、ドアのデザインそのものを変更することも、空間演出における強力な手法です。リビングの入口ドアを、ガラス面が大きく採られたデザインに変えるだけで、廊下側までリビングの光が届き、家全体が明るく開放的な雰囲気に包まれます。逆に、寝室や書斎などプライバシーを重視したい部屋には、遮音性に優れた重厚なパネルドアを選ぶといったように、部屋の用途や目的に応じてドアの機能とデザインを最適化することが可能です。ドアの色選びもインテリアの成否を分ける重要なポイントです。壁の色とドアの色を同系色で統一すれば、ドアの存在感が和らぎ、空間に広がりが生まれます。一方で、壁とは対照的なアクセントカラーをドアに用いることで、ドア自体をインテリアの主役として際立たせ、個性的で洗練された空間を創り出すこともできます。取っ手やレバーハンドルといった金物のデザイン一つにこだわるだけでも、ドアの表情は驚くほど豊かになります。このように、室内ドアのリフォームは、機能性とデザイン性の両面から、私たちの暮らしをより豊かで快適なものへと導いてくれるのです。
室内ドアリフォームで創る理想の住空間