築二十五年を超えた我が家の玄関ドアは、もはや家の誇りではなく、悩みの種でした。表面の塗装は紫外線と雨風に晒されてカサカサになり、鍵の動きは渋く、何より冬になるとどこからともなく冷たい隙間風が入り込んでくるのです。見た目の古臭さもさることながら、防犯面や断熱性の低さがずっと気になっていました。そんな長年の悩みを解決すべく、私はついに玄関ドアのリフォームを決意しました。最初は、壁を壊したりする大掛かりな工事になるのではないかと不安でいっぱいでしたが、インターネットで調べていくうちに「カバー工法」という一日で工事が完了する方法があることを知りました。早速、いくつかのリフォーム会社に連絡を取り、現地調査と見積もりを依頼しました。最終的に選んだのは、こちらの細かい質問にも嫌な顔一つせず、専門的な知識を交えながら分かりやすく説明してくれた地元のリフォーム会社です。ショールームで実際にドアに触れながら選んだのは、重厚感のある木目調のデザインで、高い断熱性能を持つモデルでした。スマートキーの便利さにも惹かれ、オプションで追加することにしました。工事当日は、朝九時に二人の職人さんが到着し、挨拶もそこそこに、手際よく古いドアの撤去作業を始めました。養生を丁寧に行い、周囲を傷つけないように配慮してくれる姿に、プロの仕事ぶりを感じました。古いドアが取り外されると、次に新しいドアの枠が既存の枠に慎重にはめ込まれていきます。まさに「カバー工法」という名の通りの作業工程を目の当たりにし、これなら壁を傷つける心配もないと安心しました。水平垂直を何度も確認しながら、ミリ単位で調整していく職人さんの真剣な眼差しが印象的でした。午後になると、新しいドア本体が吊り込まれ、あっという間に玄関の姿が見えてきました。最後に鍵の設定や動作確認を入念に行い、すべての作業が完了したのは午後四時頃でした。見違えるように美しくなった玄関を見て、私は感動で胸がいっぱいになりました。重厚なドアは高級感があり、家の格が上がったようにさえ感じます。何より、ボタン一つで鍵が開閉できるスマートキーの快適さは想像以上でした。そして、その冬、私はリフォームの効果を改めて実感することになります。あれほど悩まされた玄関からの冷気が嘘のようになくなり、暖房の効きが格段に良くなったのです。