築30年になる我が家の一階には、ほとんど使われていない六畳の和室がありました。北向きで日当たりも悪く、古い聚楽壁と色褪せた畳が相まって、どこか陰気な雰囲気が漂う空間。長年、ただの物置としてその存在を放置してきましたが、近年の在宅ワークの増加に伴い、集中して仕事に取り組める「書斎」の必要性を痛感し、この部屋をリフォームすることに決めました。目指したのは、単に仕事をするだけの場所ではなく、時には趣味に没頭したり、静かに読書を楽しんだりできる、多機能でモダンなワークスペースです。リフォーム会社との打ち合わせでは、限られた空間をいかに広く、快適に見せるかという点が最大のテーマでした。まず、部屋の閉塞感の原因となっていた畳と、その下の床板をすべて撤去。床下には新たに断熱材を充填し、冬場の底冷え対策を施しました。床材には、部屋全体を明るく見せるため、白木のような明るい色調のオーク柄のフローリングを選びました。壁は、ポロポロと剥がれ落ちていた聚楽壁をすべて剥がし、下地を整えた上で、落ち着いた印象のライトグレーのクロスに張り替えました。一面だけは、アクセントとして少し濃いチャコールグレーのクロスを使い、空間に奥行き感とメリハリを加えています。このリフォームのハイライトは、押入れを大胆に改造した「デスクスペース」です。奥行きのある押入れの中棚を撤去し、内部の壁もきれいにクロスで仕上げ、横幅いっぱいのカウンターデスクを造作しました。これにより、部屋の中にデスクを置く必要がなくなり、空間を最大限に広く使うことができます。デスクの上部には棚板を設置し、書類や本を収納。足元にはコンセントも増設し、パソコン作業も快適に行えるように配慮しました。襖があった場所には、天井から床までの高さがあるロールスクリーンを設置。来客時など、デスク周りを隠したい時にはさっと下ろすだけで、生活感を完全に消し去ることができます。照明は、部屋全体を照らすダウンライトに加え、デスクスペースに手元を明るく照らすスポットライトを追加。用途に応じて光の環境を調整できるようにしました。完成した部屋は、以前の薄暗い和室の面影はどこにもなく、明るく、機能的で、洗練された空間へと生まれ変わりました。静かな環境で仕事に集中できるだけでなく、好きなものに囲まれて過ごす時間は、私の生活に新たな充実感をもたらしてくれています。