もしあなたが、ありきたりなリフォームではなく、自分のライフスタイルや美意識を細部にまで反映させた、唯一無二の空間を創り上げたいと願うなら、「設計事務所」にリフォームを依頼するという選択肢が最適かもしれません。設計事務所は、単に工事を請け負うのではなく、施主の代理人として、理想の住まいを実現するための設計と、その設計通りに工事が行われるかを監修する「設計監理」を専門とするプロフェッショナル集団です。設計事務所にリフォームを頼む最大のメリットは、その卓越したデザイン力と、既成概念にとらわれない自由な発想力にあります。施主との対話を何よりも重視し、趣味や価値観、将来の暮らしのイメージといった、漠然とした想いを丁寧にヒアリングしながら、それを具体的な空間の形へと落とし込んでいきます。複雑な敷地条件や、既存の建物の制約といった課題さえも、独創的なアイデアで魅力的な空間へと昇華させる設計力は、工務店やハウスメーカーとは一線を画す部分です。また、設計事務所は施工会社から独立した立場にあるため、特定の建材や工法に縛られることがありません。施主の予算と要望に応じて、最適な材料を選び、最もふさわしい技術を持つ施工会社を選定することができます。複数の施工会社から見積もりを取り、その内容を専門家の視点で厳しくチェックしてくれるため、工事費の透明性が高く、コストの最適化を図ることが可能です。工事が始まると、設計事務所は「監理者」として、設計図通りに工事が正確に進んでいるか、品質は確保されているかを、施主の代わりに厳しくチェックします。現場の職人に対して専門的な指示を出し、手抜き工事や仕様の間違いが起こらないように目を光らせることで、リフォームの品質を確かなものにします。この「設計」と「施工」が分離している点が、質の高いリフォームを実現するための重要な仕組みなのです。もちろん、設計事務所に依頼する場合、工事費とは別に設計監理料が必要となります。一般的には総工事費の十パーセントから十五パーセント程度が目安となり、トータルの費用は割高になる傾向があります。また、設計のプロセスにじっくりと時間をかけるため、完成までの期間も長くなることが一般的です。しかし、時間とコストをかけてでも、徹底的にこだわり抜いた自分だけの空間を創りたいと考える人にとって、設計事務所は最高のパートナーとなるでしょう。
設計事務所と創るこだわりのリフォーム