住み慣れた家の雰囲気を変えたいけれど、プロにリフォームを頼むほどの予算や時間はない。そんな時に挑戦してみたいのが、ドアの塗装DIYです。特に、長年の使用で色褪せたり、小さな傷がついたりした室内ドアは、自分で塗装を施すことで、驚くほど美しく生まれ変わらせることができます。専門的な技術が必要に思えるかもしれませんが、正しい手順と少しの忍耐力があれば、初心者でも満足のいく仕上がりを実現することが可能です。まず、挑戦する前に必要な道具を揃えることから始めます。塗料、ハケ、ローラー、塗料トレイ、マスキングテープ、養生シート、サンドペーパー(紙やすり)、ウエス(布)、そして下地材であるプライマーが基本的なセットです。塗料は、室内での使用に適した、臭いが少なく乾燥が速い水性塗料がおすすめです。色の選択肢も豊富なので、部屋のインテリアに合わせて好みの色を選ぶ楽しみもあります。準備が整ったら、作業に取り掛かります。最初のステップは、ドアの取り外しと下準備です。可能であればドアを蝶番から外し、作業しやすい場所に運びます。取っ手や鍵座などの金物類はすべてドライバーで取り外しておきましょう。次に、塗装の仕上がりを左右する最も重要な工程である「ケレン」と「清掃」です。サンドペーパーを使って、ドア表面の古い塗膜や汚れ、油分を軽く研磨して落とします。この作業により、新しい塗料の密着性が格段に向上します。研磨で出た粉は、固く絞ったウエスで綺麗に拭き取ってください。下準備が終わったら、塗料が付着してはいけないガラス部分やドアの側面などをマスキングテープで丁寧に保護(養生)します。床にも養生シートを敷き忘れないようにしましょう。いよいよ塗装工程です。まず、塗料の密着性をさらに高め、仕上がりを美しくするための下地材「プライマー」を塗布します。プライマーが完全に乾いたら、いよいよ本番の塗料を塗っていきます。広い面はローラーで、細かい部分や隅はハケを使うと効率的です。一度に厚塗りしようとせず、薄く均一に塗るのがムラの無い綺麗な仕上がりにするコツです。一度塗りが終わったら、塗料の指示に従って十分に乾燥させ、必要であれば二度塗りを行います。塗料が完全に乾燥したら、マスキングテープを剥がし、取り外しておいた金物類を取り付けてドアを元の場所に戻せば完成です。
ドアの塗装DIYで始めるおうちリフォーム