毎日使うお風呂は、住まいの中でも特に劣化が進みやすい場所の一つです。築年数が経過すると、「お風呂のリフォームは本当に必要なのだろうか?」と疑問に感じる方もいるでしょう。まだ使えるように見えても、設備の経年劣化や内部の腐食が進行している可能性もあります。お風呂のリフォームは、目安として10年~20年に1回必要と言われています。しかし、年数だけで判断するのではなく、具体的なサインを見極めることが大切です。 リフォームが必要かどうかを見極めるポイントとして、まず「壁や床にヒビがある場合」が挙げられます。小さなヒビでも、そこから水が内部に侵入し、腐食や水漏れの原因となることがあります。特に木造住宅では、木部の腐食はシロアリ被害にも繋がりかねません。また、浴室内のコーキング材にヒビが入っている場合も注意が必要です。これは、水が入り込んで腐食や水漏れなどのトラブルにつながる恐れがあり、早めのリフォームが推奨されます。 次に、「カビや汚れが落ちにくい場合」もリフォームを検討するサインです。浴室は湿気が多いためカビが発生しやすい場所ですが、掃除をしてもすぐに生えてしまったり、汚れがこびりついて落ちなくなったりしたら、素材自体の劣化が進んでいる可能性があります。見た目の悪さだけでなく、カビは健康被害にも繋がる恐れがあるため、注意が必要です。 さらに、「排水溝の臭いが気になる場合」や「排水が流れにくい場合」もリフォームのサインと言えます。長年の汚れが蓄積して排水管が詰まっていたり、排水トラップが劣化していたりする可能性があります。排水溝の内部は掃除が難しく、完全に汚れや臭いを除去するのは困難なため、リフォーム時に排水管の見直しを検討することも大切です。 最後に、「ライフスタイルが変化した場合」もリフォームを検討する良い機会です。家族構成の変化(子どもの誕生や成長、高齢者の同居、介護が必要になるなど)や、定年退職などで生活習慣が変わると、既存のお風呂が使いにくく感じることがあります。例えば、滑りやすい床を直したり、手すりをつけたりして転倒を防ぐバリアフリータイプへのリフォームは、介護が必要になった際に特に重要です。 これらのサインに心当たりがある場合は、早めにリフォームを検討することで、住まいの寿命を延ばし、より安全で快適な暮らしを実現できるでしょう。